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暮らしのヒント

スポット紹介

商品のストーリーや作り手の想いまで身にまとうアイテムを

京都市を東西に走る主要道路、五条通。交通量も多いこの大通りからちょっと中に入れば、そこは昔ながらの住宅街。車も入れないような細い道に沿って家がぎっしり並んでいます。その一角、平屋の古民家をリノベーションした建物にオフィスを構えるのがアパレルブランド「MOLTEMANI(以下、モルテマニ)」。インターネットを中心に洋服やバッグを販売する、米本有紀彦さんに話を聞きました。

モルテマニのメインの取り扱いアイテムはメンズのカットソーやパンツ、デニム、バッグなど。「背景にあるストーリーに心動かされる商品を仕入れたり、強い思いを持った職人さんと一緒にオリジナル商品を作っています」と米本さん。

オリジナル商品のひとつに、ブランドを立ち上げた当初から取り組む岡山の倉敷帆布のバッグやエプロンがあります。その魅力は、人の手で染め上げた温かみのある風合いと、天然染料ならではの優しい色味にあります。使い続けることで、手になじみ、いい風合いへと育つ倉敷帆布。 手にし、着用していくなかで実感できる商品の良さに、商品の持つストーリーが加わって、商品をより大切にしたい気持ちが芽生えてくるのです。

米本さんは実際に生産地へ足を運び、自分の目で確かめることも大切にしています。それは、前職、家具メーカーで働いていたとき、世界を飛び回っていた経験があったからなのだそう。「すばらしい商品はたくさんありますが、なぜこの商品がすばらしいのか知ってほしくて、ブログなどで発信していました」と米本さん。

その気持ちは今も同じ。米本さん自身が、商品の良さを肌で感じ、ホームページでそのストーリーを丁寧に発信しています。「オンライン購入で、お客様と直接会えなくても、きちんと思いを伝えています。なかには経年変化を楽しみながら大切に着ますと言ってくださった方がいて、とてもうれしかったです」と米本さん。

そして米本さんにいい刺激を与えてくれるのは、オフィスの大きな窓の外に広がる京都の下町の日常と、古民家をリノベーションした空間の味わい。コンクリート打ちっぱなしの洗練された空間には、この家が歩んできた歴史が溶け合い、それは周囲の街並みにもなじんで、独特の心地よさを生み出しています。この建物にストーリーがあるように、モルテマニが扱う商品にもさまざまなストーリーがある--。「ここはインスピレーションを高めてくれる空間」。米本さんはこの場所で、思いのこもったアイテムを作り続けます。

■MOLTEMANI
Office
京都府京都市下京区中堂寺前田町20-14
公式サイト