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湖岸に立つと、目の前に広がるのは、どこまでも広がる琵琶湖と周辺の山々。それでいて市街地の賑やかさもある……そんな環境の良さが特徴の滋賀県大津市。今回紹介する「エバーグリーンにおの浜」は JR膳所駅から徒歩10分ほど。JRを使えば、京都や大阪までも通勤圏内です。忙しいウィークデーを乗り切ってようやく土曜日。少し遅めの朝食をとって、近隣のスポットを散策するのが、週末の楽しみです。

平安時代末期の武将と江戸時代の俳人にゆかりの義仲寺

大通りから少し入ったところにひっそりと佇む義仲寺。ここは、2人の歴史上の人物の御墓所として知られる寺院です。1人はその名前の通り、平安時代の武将・木曽義仲。『平家物語』に朝日将軍として登場する人物で、平家討伐のために都入りしたものの、大津・粟津の地で討ち死に。この地に葬られました。もう一人は江戸時代の俳人・松尾芭蕉。木曽義仲の大ファンで、大津の地を故郷のごとく感じ、度々義仲寺を訪れていたそう。その遺言に従って、義仲が眠るこの寺に埋葬されました。

山門をくぐると青々と草木が茂った境内に、さまざまな句碑が立ち、その先に2人のお墓がありました。静かに手を合わせれば、平安時代と江戸時代にここで生きた人たちの思いが感じられるよう。そしてふと足元に視線を落とすと、木蔭で休んでいる亀を発見。歴史ある大津の地に、穏やかな時間が流れています。

ランプや器やコーヒーが、心躍る暮らしのきっかけに。

次に向かったのは膳所駅方面へと続くなだらかな坂道。「ときめき坂」と呼ばれ、飲食店や雑貨店が並んでいます。
「KIKKAKEKKO 膳所ときめき坂店」で、ペンダントライトを見てみることに。店内には数え切れないほどの灯りがディスプレイされています。凛とした透明感が美しいガラス製のものや、店主がヴェネチアで買い付けた色鮮やかなものも。店内には数席のカフェスペースもあるので、眺めながら「部屋にはどれが似合うかな」と妄想を膨らませて。
このほか、一度灰にした琵琶湖の水草をガラスに混ぜて緑を表現した琵琶湖彩（びわこいろ）の器といった食器や珈琲豆の販売も。毎日がちょっと楽しくなる〝きっかけ〟をくれるショップです。

子どもからお年寄りまで通うよりみちぱんで、ランチを兼ねたパン選び

「ときめき坂」をおりている途中、小学校の角を曲がると見えてくるのが「よりみちぱん」です。
外側のザクザク食感が魅力のメロンぱん、『成瀬は天下を取りにいく』（※）で注目を集めた塩パン、そして毎月具材が変わる「よりみちキッシュ」など。老若男女を虜にするパンが店内にズラリ！　この日、訪れたときちょうど焼き上がっていたのは、モチっとした食感がやみつきになるフォカッチャ。きのことゴルゴンゾーラ、季節のやさいのフォカッチャ マルゲリータの2種類です。香ばしい焼きたてパンの匂いにつられて、お腹はもうぺこぺこ。お昼ご飯に！と両方をトレイに乗せました。
※宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』（新潮社　2023年）で注目を集めた塩パン

湖岸でパンを味わったら、SNSで見つけたチョコレート店へ

湖岸のなぎさ公園でパンランチ。広々と開放的な雰囲気は街中とは思えないリゾート感。ベンチに腰掛け、景色を楽しみながらフォカッチャをいただきました。

お出かけの最後は、SNSで前から気になっていた「THE SMILE CHOCOLATE 大津本店」を初訪問。手のひらサイズの板チョコの上にドライフルーツやナッツをあしらった「マンディアン」をはじめ、「ディップフルーツ」「フラッペ（冬季はホットチョコレート）」など、奥に細長い店内には多種多様なチョコレートが並んでいます。

店主のおすすめは、看板メニューのマンディアン。一番人気の「ミルクチョコとメロンと、あとピスタチオ。」を含む全16種類のほか、季節限定のフレーバーも登場します。大津市の老舗店「中川誠盛堂茶舗」の茶葉を使用した「抹茶チョコと黒豆。」と「ほうじ茶チョコと黒豆。」を手に取り、自分へのお土産にしました。

自然の豊かさを感じながら散策を楽しんだ休日。家に着いたらお茶をいれて、早速チョコレートを食べてみよう。